Q:子宮頸がんについて教えて下さい
A:子宮頸がんは、20~30歳代の女性に増えており、ヒトパピローマウィルス(HPV)の感染が原因です。HPVには100種類以上の型があり、子宮頸がんの原因となる「ハイリスク型HPV」は、性交渉を通じて誰もが感染しうるウィルスです。多くは自然に消失しますが、感染が長期化した場合「前がん状態」を経て子宮頸がんに進行することがあります。
Q:子宮頸がんを予防できるワクチンがあるのですか?
A:はい。2009年末に日本で発売された子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がん発症リスクの高いHPV16型と18型の感染を防ぐことにより、約70%の子宮頸がんの発症を減少させることが出来ます。
Q:子宮頸がん予防ワクチンは何才くらいの女性が対象ですか?
A:10歳以上の女性です。接種によるメリットが最も大きいのは、セクシャルデビュー(初交)前のHPV未感染の女性です。もちろん、それ以降に接種しても感染を予防する効果があります。また、妊婦又は妊娠している可能性のある女性の接種は妊娠終了まで接種は延期しましょう。
Q:HPVに感染したことがある人は、子宮頸がん予防ワクチンを打つ必要がないのでは?
A:HPVの自然感染では、充分な免疫は得られません。 繰り返しHPVに感染してしまうことがあるのです。子宮頸がん予防ワクチンは、自然感染の12倍以上の抗体価を長期間維持しますので効果が期待できます。また、発がん性HPVに感染している人が接種しても悪化することはありません。
Q:子宮頸がん予防ワクチンはどこで受けられますか
A: 産婦人科の他、小児科、内科で受けられます。実施していない医療機関もありますので、直接、医療機関にお問合わせください。
Q:子宮頸がん予防ワクチンの具体的な接種法を教えて下さい
A:半年間の間に3回(2回目は1ヶ月後、3回目は半年後)、上腕の筋肉内に注射します。
Q:子宮頸がん予防ワクチンを接種すれば、その後は子宮がん検査は受けなくていいのですか?
A:子宮頸がん予防ワクチンだけでは、全ての子宮頸がんの発症を防ぐことはできません。
最も大切なのは子宮がん検診を定期的に受けることです。
早い時期に見つかり、前がん状態~初期のうちに治療すれば、子宮を温存し、その後の妊娠・出産も可能です。
子宮頸がんの自覚症状はほとんどありません。
早期発見・治療のため、子宮がん検診は1年~2年ごとに受けることをおすすめします。